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自分のWebサービスで生きていく。あなたにおすすめなサービスモデルがどれなのか解説します

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つい先日のことですが、新卒でドイツに飛びフリーランサーとして活躍するwasabiさんの運営するオンラインサロンに入会しました。50人の枠がものの数日で埋まってしまった人気のサロンです。

lounge.dmm.com

僕がサロンに入った主な理由はベルリンへの移住を現在検討していてその情報収集をしたかったからなのですが、2,3日フリーランスを目指す方やすでにフリーランスをされている方とやり取りをする中で、意外と自分のように個人開発のWebサービスを運営して生計を立てたい、という方もいるのではということをふと思いました。

思い返してみると、以前に台湾であしたはもっと遠くへいこう -という有名ブログを運営する前原さんにお会いした際も、一人でリンガルボックスのようなウェブサービスが運営できるとは思わなかった、ということを言われました。

Webを通して個人で生計を立てるというと、例えばブロガー、アフィリエイターになって広告収入を得るということや、エンジニアやデザイナーとして仕事を請け負うということが思い浮かばれやすいと思います。ただ、そもそもブログで生計を立てているような影響力のあるブロガーに比べると、個人開発のサービスで生計を立ててる人の情報発信力は弱いので、そもそも認知されてないのかもしれないかもしれません。

リンガルボックスは大成功とは言えないし、今まで興味を持つ方もそんなにいないだろうと思っていたのですが、個人開発のサービスで生計を立てている一例として、Webサービスで生計を立てたい、あるいは受託の仕事とは別にWebサービス運営を収入源にしたい、という方向けに情報発信が出来れば、と思っています。

前置きが長くなりましたが、今回は第一弾の記事として表題の通り個人開発のWebサービスから生計を立てるのにどんなビジネスモデルが良いのかフリーミアム型、マーケットプレイス型の2つに関して見ていきます。

1. フリーミアム

1-1. ツール販売型

エンジニア気質で既に高い技術力を備えている方向け

ツール販売型のフリーミアムサービスというのは、無料で使えるサービスを提供し、一部のユーザーが有料サービスを購入することで売上を立てるモデルです。

サービス例: Inkdrop

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最近下記のブログ記事が話題になっていました。

MarkdownノートアプリInkdropで家賃の半分が賄えるようになりました – 週休7日で働きたい

Inkdropを運営するTakuya Matsuyamaさんは、英語圏のユーザー向けにinkdropというマークアップエディターを提供しています。2016年10月にサービス提供を開始、Web版、iOS版、Android版のリリースを経て今年4月には月額課金ユーザー数が30人、総売上が10万円を突破、現在では月4万円の収益が上がっているとのことです。また契約者数45人の内解約は2人という解約率の低さで今後運営を続けていけば、どんどん月売上を伸ばせることが期待できます。

サービス例: CLOUD PAPER

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またiritecという企業を個人で経営をしている入江慎吾さんは、CLOUD PAPERというオンライン請求書管理ツールを運営しています。「1000人のユーザが1人を食わせるモデルを目指したい | イリテク」というブログ記事によると現在70社の法人が利用していて毎月10万円程度の収益が出ているそうです。こちらも解約率が少なく積み上げ型で月売上を伸ばしています。

またZaimという家計簿サービスは現在650万人ものユーザーが利用しておりご存知の方も多いかと思います。このサービスは元々は閑歳孝子さんがプログラミングを独学で取得し、仕事後の数時間、休日を利用してこつこつと開発を続けリリースしたサービスです。

個人的な意見で言うと、ツール販売型のサービスはこれから一からプログラミングを勉強するという方にはあまり向かないと思っています。相当のレベルのサービスを提供しないと、無料ユーザーから有料ユーザーになってくれないためです。Zaimの例はありますが、これはまだ大手企業のスマホアプリ参入の少ない2012年の話なので既に大手のひしめく現在のアプリ市場では同一のことを行うのは難しいかもしれません。またCloud Paperやinkdropを見ても非常に完成度が高く、一からここまで到達するのは相当大変だろうと考えました。逆に、既に技術のあるエンジニアの方であれば原価率が低いこのモデルはとても可能性が高いと思います。

1-2. サービス販売型

自分自身の独自コンテンツを持つ方向け

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例えば、NewsPicksのようにオンライン上のニュースに集めて、有識者のコメントがそこに加わることで、単なるニュース以上の価値を提供しているサービスがあります。NewsPicksの場合はNewsPicks独自の記事を見たい場合には有料会員になる必要があり、ツールではなくサービスを販売するタイプのフリーミアムビジネスといえます。このモデルは自分独自のコンテンツを作り出せる方にオススメです。

プログラミング学習サービスではこの分野で個人で大成功している方が結構います。例えばその典型は僕もお世話になったRailsCastsというサービスです。(現在は運営者の方がバーン・アウトしてしまいサービス更新停止しています。)このサービスは、Ryan BateさんがRuby on Railsのツール群(gem)を動画を通じて紹介していて高い人気を持っていました。今は2013年12月に個人開発からスタートしたegghead.ioというサービスが似たことをしていてこちらも大成功しています。以下はegghead.io創業者のjoelさんの書いたブログ記事。2013年にサービスをスタートして2014年にはもう家族で食べていける状態になっていたということが分かります。

joelhooks.com

プログラミング以外でも例えば、料理やビジネスの技術(営業スキルなど)、ファッションなど独自のコンテンツを作れる方であれば大成功の可能性があるモデルかと思います。

2. マーケットプレイス

このマーケットプレイス型は一般的に手数料を取るタイプ(手数料型)と、付加価値を付けることで手数料ではなく一定額の金額を取るサービス販売型(もっと良い言い方があれば指摘下さい)の2つのタイプがあります。

2-1. 手数料型

コミュニケーション力の高い方にオススメ

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手数料型というのは、例えばAirBnBのようなサービスが典型で個人、法人の提供するモノやサービスをウェブサービス上で公開して流通額のうちの一定割合を手数料として取るモデルです。このサービスの難しいところは鶏卵問題が確実に発生することです。例えばAirBnBで言うと、部屋や家をサービス上に掲載してくれる人を増やすには部屋を借りてくれる人が多くしないといけません。逆に部屋を借りてくれる人を増やすには部屋を掲載してくれる人を増やさなければいけません。この最初の問題を解決するには自分の足を使って掲載者を口説き続ける必要があります。

例えば、以前に僕が手伝っていたスタートアップでタビタツというサービスがあります。タビタツは、海外旅行をする日本人向けに海外在住の日本人がガイドをするサービスで、英語が苦手という方や、海外ツアーに参加するのは不安という方の問題を解決しています。

現在でこそ旅行のCtoCサービスの中でも最大規模となっていますが僕が手伝い始めた当初はツアー数もユーザー数も少ない状態でした。またツアーを掲載するということのハードルも非常に高く(AirBnBのようにすでにあるものを貸すのではなく、新しいアイデアを考える必要がある。)、出来たツアーもマーケティング視点が不足していて中々売れないという問題がありました。そこを、ツアー作成をガイドの方だけに押し付けるのではなく、スタッフ側でたたき台を作成して、それを実際に現地で催行可能かガイドさんに確認しながら修正し形にしていくということをしながら乗り越えました。一度ツアーが売れると、ガイドの方も売れるんだということが分かり、現地の方でないと思いつかないような独自のツアーを作ってくれるようになります。

このモデルは、こうして初期の鶏卵問題を乗り越えれば、その鶏卵問題自身が参入障壁となり高い利益を上げられるようになります。このモデルが向いているのは、根気強く人と話していくのが得意な方です。最初はお客さんがいないのに、サービスを出してくれと人に頼むことになるのでとにかく良いサービスを開発したいというエンジニア気質の方とはあまり相性がよくありません。

逆に言うと、スーパーエンジニアの方と勝負しなくてもいいので一から開発をしてもやりやすいサービスと言えます。

個人でこうしたサービスを運営している方を探してみたのですが見つかりませんでした。そういう方を知っている場合や自分がそうだという場合は是非教えてください!

2-2. サービス販売型

技術力もコミュニケーション力もそこそこという方向け

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僕の運営しているリンガルボックスのようなオンライン英会話サービスはこれに当たります。(こうしたサービスは手数料型モデルにもなりえます。) 最近ではマネジドマーケットプレイス(Managed Marketplace)と呼ばれることもあります。こうしたサービスは、単に個人の提供するサービスを手数料型で販売するのはなく、例えばオンライン英会話なら独自の教材を提供する、メンターシップを提供するなど独自の付加価値を付けて販売します。このサービスでも鶏卵問題は発生してきますが、独自の付加価値を提供できていれば完全な手数料モデルに比べて障壁は低いと言えます。

このモデルの場合、既にサービスはあるので技術だけで価値を提供する必要もなく、例えばオンライン英会話でいう教材の開発にも技術力は要求されません。技術力の必要な付加価値ももちろんありますが、フリーミアム型に比べるとそのハードルは低いと思います。その為、技術力が猛烈に高いというわけではないですが、人とのコミュニケーションも取れてサービスを改善していけるというバランスタイプな方に向くモデルと言えそうです。

最後に

ここでは、向いているタイプを極論で紹介しましたが、結局最後に物を言うのは根気強く続けていけるかどうかかなと僕は思っています。例えば、上で取り上げたInkdropにしても本リリース前にベータ版を出していてその時のユーザーはほとんど離脱してしまったりと、上手くいかない時期があったそうです。リンガルボックスにしてもプログラミングを独学して2012年8月に立ち上げ数年かけて形にしてきました。もし自分のWebサービスを開発して生計を立てていこうと考えている方がいましたら是非、モチベーションを保ち続けること、保ち続けられるようなサービスを作ることを意識して頂ければと思います!

次回のブログでは、ではそのWebサービスが上手くいかなかったらどうするのかということに対して僕の考えを書こうと思っています。興味のある方がいましたら僕のTwitterアカウントFeedlyをフォローして更新のお知らせをお待ち下さい!


また作りたいサービスの見つけ方にしては以前に記事にしていますので良かったらこちらもどうぞ。

atsuhiro.hatenablog.com


オンライン英会話のリンガルボックスは僕が個人で企画、開発、運営を行っているWebサービスです。英語を身につけたい方、実際独学でどんなサービスを運営出来てるのか気になる方は是非ご覧になって下さい。

ja.lingualbox.com

追記:wasabiさん、タビタツ役員の今野さんからコメント頂きました。